スライサーを使って、足の関節を固定しています。
家にあるものを利用して道具を作るのは、なんとも作業療法らしいですね。
体験内容について、1日を追ってみていきたいと思います。
9:00~ 起床、洗顔、着替え、準備
・困難なこと
階段を降りる。座る。靴下を履く
・精神状態、心理状態
階段を降りるときがすごく怖い
・どうすれば・・・?
階段に手すりがあればいいなと思った。靴下を履くのに自助具がほしい。
(階段のない家に住む・・・!)
10:00~ 友人宅へ移動
・困難なこと
松葉杖をつく。駅まで歩く。階段の昇り降り。定期を取り出す
・精神状態、心理状態
松葉杖で手がふさがってしまったため、定期を出すのも一苦労。乗りたかった電車に乗れなかった。
松葉杖は目立つので恥ずかしかった。小さな子供に「あの人どうしたの?」と指を指された。
電車では声をかけられた。松葉杖で手が痛くなった。
・どうすれば・・・?
目立つことに関しては、慣れるしかないかもしれない・・・
手がふさがっていても動きやすい服装にし、松葉杖で手が痛くならないようにやわらかい素材を使う。
動きやすい服装で、ジャージを着用しています。
一日中ジャージで過ごして、ちょっと恥ずかしかったです。
11:00~ 友人宅
・困難なこと
靴を脱ぐ、履く。椅子に座る。トイレ。
・精神状態、心理状態
靴はかかとを踏んで履いていたので脱ぎやすかった。トイレは段差があったので大変だった。
・どうすれば・・・?
靴をかかとを踏んで歩くのも危険なので、脱ぎ履きしやすい靴を選ぶ。
紐靴は手が届かないので結べません。
この程度の段差でも、松葉杖を使っていると上がるのに一苦労です。
12:00~ レストランで食事
・困難なこと
椅子に座る
・精神状態、心理状態
両手は自由だったので、問題なく食事することができた。
席が狭く、申し訳ない気持ちになった。
・どうすれば・・・?
あまり狭いお店には行かないようにする・・・!?
13:00~ 学校へ通学
・困難なこと
歩く。椅子に座る。
・精神状態、心理状態
長時間椅子に座るのがとてもつらかった。何度も座り方を変えた。
・どうすれば・・・?
足を上げて座れるように工夫したほうが負担がない。
17:00~ 夕食
・困難なこと
食べる。座る。
・精神状態、心理状態
特に問題なし。
18:00~ お勉強
・困難なこと
座る。パソコン。
・精神状態、心理状態
少し座りづらいが問題なし。
20:00~ お風呂
・困難なこと
着替え。(お風呂の中は体験無)
・精神状態、心理状態
着替えるのがとても大変。特に靴下が脱げない。
・どうすれば・・・?
自助具を利用して着替える。
21:00~ 就寝
一日体験してみて
私は今回初めて松葉杖を体験しました。松葉杖での歩き方がわからず、普段5分の駅までの道が10分以上かかりました。
また、何か動作するのにもすごく時間がかかりました。例えば、道を歩く際、ほんの少しの地面のでこぼこによって、松葉杖と自分の重心のバランスが取れなくなって転びそうになりました。
普段は何気なく生活していますが、その生活が1つの障害によってどれだけ制限されるかを身をもって体験できました。この体験を元に、患者さんがどんなことで困っているのかを頭だけではなく、自分で体験して感じることで、気がつかない不自由にも気がついてあげられるんだと感じました。